紙の厚みを表す言葉に、「坪量」や「連量」というものがあります。
普段聞きなれない言葉ですが、紙媒体への印刷に携わる場合には頻繁にこのワードが出てきますので、覚えておきたいところです。
今回は紙の坪量・連量について解説していきたいと思います。
坪量とは
坪量(つぼりょう)とは、1㎡あたりの紙1枚の重量のことです。単位は「g/㎡」で表します。
たとえば「50g/㎡」の坪量の紙の場合、「紙の面積が1㎡のときの重量が50g」という意味です。
ボール紙などの厚い紙(板紙)や包装用紙については、坪量を使って表すことがよくあります。
(コートボール230g/㎡、クラフト紙50g/㎡など)
基本的には坪量が大きいほど厚い紙になります。
連とは
連(れん)とは、ある決まった寸法の紙1,000枚を表す単位です。「連」もしくは「R」と表記します。
たとえばある決まった寸法の紙2,000枚の場合は2連(2R)、3,500枚の場合は3.5連(3.5R)と表記します。
また、板紙については100枚単位での換算となります。単位はBR(ボード連)と表記します。
連量とは
連量(れんりょう)とは、ある決まった寸法の紙1,000枚(1連)の重量のことです。単位は「kg」を使って表します。
たとえば四六判(788×1091mm)という規格寸法で連量が55kgの紙の場合、「1,000枚の重量が55kgの四六判サイズの紙」という意味です。
一般的には「四六判55kg」や「四六判<55>」のように表記します。
※「55kgの紙に印刷」という場合には、上記の連量55kgの紙に印刷するという意味になります。
紙媒体への印刷に携わったことのある方なら、「上質紙55kg」とか「コート紙90kg」などのフレーズを聞いたことがあるかもしれません。
坪量と同様に、基本的に連量の数値が大きくなるほど厚い紙になります。
また板紙の場合、連量は100枚のときの重量となります。
連量が18kgの板紙の場合、「100枚の重量が18kgの板紙」という意味です。
洋紙連量規格表
洋紙の連量には、下の表のように決められた規格があります。
寸法 | 四六判 788×1091mm |
B列本判 765×1085mm |
菊判 636×939mm |
A列本判 625×880mm |
---|---|---|---|---|
坪量 | ||||
52.3g/㎡ | 45 | 43.5 | 31 | 28.5 |
64.0g/㎡ | 55 | 53 | 38 | 35 |
73.3g/㎡ | 63 | 61 | 43.5 | 40.5 |
79.1g/㎡ | 68 | 65.5 | 47 | 43.5 |
81.4g/㎡ | 70 | 67.5 | 48.5 | 44.5 |
84.9g/㎡ | 73 | 70.5 | 50.5 | 46.5 |
104.7g/㎡ | 90 | 87 | 62.5 | 57.5 |
127.9g/㎡ | 110 | 106 | 76.5 | 70.5 |
157.0g/㎡ | 135 | 130.5 | 93.5 | 86.5 |
209.3g/㎡ | 180 | 173.5 | 125 | 115 |
※連量は代表的な規格を抜粋しています
坪量(1㎡あたりの紙1枚の重さ)が同じ場合でも、規格サイズによって連量が異なります。
逆に言うと、連量が異なる場合でも坪量が同じ場合は、紙の厚みは同一になります。(同じ種類の紙の場合)
ちなみに印刷の際に使用する紙については、四六判の連量ベースで呼ばれることが一般的です。
たとえば印刷に坪量81.4g/㎡、A列本判の44.5kgの紙を使用する場合でも、「70kgの紙に印刷する」といったかんじです。
洋紙連量比較の早見表
洋紙の連量比較の早見表です。
規格サイズの連量に表の数値を乗算することで、同じ厚みの紙について、他の規格サイズの連量を求めることができます。
A列本判 | 菊判 | B列本判 | 四六判 | |
A列本判 | × | 1.086 | 1.509 | 1.563 |
菊判 | 0.921 | × | 1.306 | 1.440 |
B列本判 | 0.663 | 0.720 | × | 1.102 |
四六判 | 0.640 | 0.694 | 0.965 | × |
※代表的な規格のみ抜粋しています
ちょっと分かりづらいので例を出します。
たとえば菊判62.5kgの厚みの紙が、四六判では連量が何キロになるのかを調べたい場合
62.5kg × 1.440 = 90kg
というように計算して、違うサイズの連量を求めることができます。
小数点2位以下の端数が出たりと結構アバウトですが、大体の連量を算出することができます。
最後に
紙の連量、坪量について解説させていただきました。
紙媒体への印刷をする時などに頻繁に出てくる言葉なので、この記事を規格表と合わせてぜひ参考にしてみてください!
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。